仮想空間詐欺
2013年04月10日
仮想空間マルチ商法、社長に猶予付き有罪判決
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130410-00001030-yom-soci
記事中には会社名などは一切ないので分かりにくいのですが、仮想空間のマルチ商法会社というのはビズインターナショナルことです。
過去にブログに何度も登場しており、マスコミの取材依頼も一番多かったので記憶に新しいところ。
ビズインターナショナルという会社がマルチ商法(ネットワークビジネス)でお金を集め、それをI.D.Rという会社経由でフレパーネットワークスに流し、フレパーネットワークス社が実質仮想空間事業のシステムを請け負うという形でした。このフレパーネットワークス社の社長が今回罪に問われている宮之内誠人氏です。
フレパーネットワークス社はNTTドコモと取引があったり(何かのシステムを作ったいたように記憶しています)、JRキヨスク端末のシステムを請け負ったりとそれなりに大きい会社でした。かなりの信用もあったかと。
(記憶があいまいなので細かいところで違っていたらゴメンね)
そのため、マルチ商法と取引があるということが対外的に知れ渡ると困るということでI.D.Rをはさんでビズインターナショナルから仕事を請け負う形を作っていたと思われます(直接ではなく、わざわざ1つ会社をはさんで分かりにくくしています)。
要するにビズインターナショナルとI.D.R社、フレパーネットワークス社は別会社ではありますが基本的にほぼ同系列ということになります。
マルチ商法で頑張っていた人は「フレパーネットワークス社ほどの会社がバックにいるのだから全く問題ない。仮想空間はほぼ間違いなく実現するだろう!」といった形で頑張っていました。
(人によってはフレパーネットワークス社との関連は大きな声でいえないとか言っていたなぁ。。。)
事業的にはマルチ商法(ネットワークビジネス)からの配当だけでなく、仮想空間内での通貨取引などでの手数料収入、土地売買などの収入が継続的に入るということでネットワークビジネスで参加した人はかなり大きなお金が入るというような説明でした。その頃はテレビなどでも「仮想空間はこれから面白い」みたいな話をしていたので、それをビデオに撮って説明に利用していました。
その後、フレパーネットワークス社の経営は大きな仕事をしている割にはあまり良くなかった様子。キヨスクとかNTTドコモ関連の仕事が減少し、ビズインターナショナルとの仕事がメインになっていきました。
もしかしたらネットワークビジネス会社との取引がある会社ということで取引先から敬遠されたのかもしれません(マルチ商法などでお金集めたら問い合わせする人も絶対に出てくるからさすがにばれるし)。
そうすると仮想空間事業がうまくいかないと未来がないのですが、その事業がうまくいかなかったというのが今回の問題に繋がっていたと思われます。
(現実に実現した仮想空間は、、、仮想空間とは名ばかりのしょぼいできでした)
そして、集めたお金を事業だけに投資していたらまだ良かったのですが、現実にはビズインターナショナル以外の仕事が少ない状況なので、記事の通り出資金を他の目的(おそらく会社運営など)にも流用してしまった。それが問題視されて有罪となりました。
ただ、マルチ商法でお金を集めたことなどについてはここでは問題視されていません。(他の裁判になるのかな?それとも問題視することができない?)
しかも執行猶予付きの比較的軽い処分。数百億のお金を集めて多くの被害者を出した割には大きな罪には問われていません。同様の問題は今後も確実に起きるのではないかと思います。
マルチ商法(ネットワークビジネス)に関連する出資法などの法律を厳しくする必要があるのではないかと感じます。
また、どれだけ大きな仕事をしている会社でもマルチ商法(ネットワークビジネス)が関わると話がややこしくなるという典型的な例かと思います。現在進行形で投資型ネットワークビジネスの会社がいくつかありますが、どれだけ会社の事業がうまくいっていても問題になる可能性があるので、自分が参加するならまだしも勧誘は慎重に行って欲しいと思います。
以下、記事全文です。
(記事ここから)
インターネット上の仮想空間を使った「ビズインターナショナル」のマルチ商法事件で、詐欺罪と金融商品取引法違反に問われた投資事業会社社長の宮之内誠人被告(55)に対し、さいたま地裁は10日、懲役3年、執行猶予5年、罰金200万円(求刑・懲役5年、罰金300万円)の有罪判決を言い渡した。
杉山慎治裁判長は「一時的に出資金を流用してもファンドの目的を達成できれば問題ないと考えており、動機は安易かつ身勝手」と述べた。
判決によると、宮之内被告は2008年12月〜09年3月、仮想空間のシステム開発への出資金などの名目で、ビズ社の会員延べ15人から計約1078万円をだまし取った。
最終更新:4月10日(水)19時16分
(記事ここまで)
<関連のブログ内記事>
ビズインターナショナル
2013年01月10日
「<仮想都市詐欺>被告のIT会社社長、詐欺は否定 初公判で」
という記事をみました。
マルチ商法で集めたお金でインターネット上の
仮想空間を作り、その収益を分配するような
ビジネスモデルでした。マルチ商法を担当
していたのがビズインターナショナルという会社です。
仮想空間の開発担当はフレパーネットワークス。
結局は開発をほとんどしていなかったということで
フレパーネットワーク社の社長(記事中のIT会社社長)
が詐欺罪に問われています。詳しくは過去の記事も参照ください。
ビズインターナショナルについては既に存在
していないと思います。フレパーネットワークスに
ついてはホームページが繋がらないことだけは
確認していますが詳細は不明(電話も繋がらないらしい)。
過去にマスコミから最も多くの取材依頼を受けたのが
このビズインターナショナル関係でした。
それだけ多くの被害者が出たということかもしれません。
簡単に言えば、ネット上の仮想空間(セカンドライフが
有名)を作ると言って1口20万円以上の出資をマルチ
商法を利用して集めたけど、現実にはほとんど
できていなかったということです。セカンドライフの
二番煎じどころか、出てきたものは足元にも及ばいものでした。
宮之内誠人被告の弁護士によると「開発に使った多額の
経費を出資金で回収するのは当然で、仮想都市の運営
という出資目的から逸脱していない。都市の完成も見込
まれていた」とのことですが、そのベータ版でさえ遅れに
遅れて出てきて、使った人の話ではとてもではないが
使えるものではないとのこと。
詐欺とされても仕方の無い事案かなと思います。
でも、集めたお金は数百億円。人生をおかしくしてしまった
人もかなり多くいるかと思いますが、それに見合うだけの
罪に問えるかどうかとなると難しいのでしょうね。
以下、記事全文です。
毎日新聞 1月9日(水)20時35分配信
インターネット上の仮想都市ビジネスへの投資で
約100億円を集めたとされる「ビズインターナショナル」
(さいたま市)のマルチ商法事件を巡り、うその投資話
で約1100万円をだまし取ったとして詐欺罪などに
問われた東京都港区のIT会社社長、宮之内誠人被告(55)
の初公判が9日、さいたま地裁(杉山慎治裁判長)
であった。宮之内被告は金を受け取った事実は認めたが
「出資者をだましたわけではない」と詐欺を否定した。
検察側は冒頭陳述で、宮之内被告が出資金を開発に
使わず従業員の給料など会社の資金繰りに充てたと指摘。
弁護側は「開発に使った多額の経費を出資金で回収する
のは当然で、仮想都市の運営という出資目的から逸脱
していない。都市の完成も見込まれていた」と述べた。
起訴状によると、宮之内被告は08〜09年、ビズ社が
ネット上で構築する予定だった仮想都市で使うアイテムを
販売・開発するファンドに出資すれば収益金の分配を
受けられると、うその勧誘をして出資させたなどとされる。
【狩野智彦】